電話の「かけ放題」、映画の「見放題」、曲の「聞き放題」と、近年その「サブスクリプション化」は予想を上回るスピードで急増しています。
聞く話によると「靴の履き放題」なんてサービスもあるのだとか・・・
このような「〇〇し放題」というサブスクリプションはついに住居まで進出してきたという話は別の記事でも書きました。
では、このような賃貸のサブスクリプションが流行すると、投資の面ではどのような変化がみられるでしょうか。
賃貸のサブスクリプションとは
上記の記事のおさらいとなりますが、賃貸のサブスクリプションは家具、家電、Wi-Fi、がついている部屋の住み放題を提供しているサービスとなります。
物件によっては、水道光熱費も家賃に組み込まれ、住民票も移せるものもあります。
毎月定額で住め、家具など、生活に必要なものはすべてあるため引っ越し代もかからないのがメリットです。
また、不動産契約とは違うため、仲介手数料などの初期費用も掛からないのも魅力的です。
賃貸ののサブスクリプションで打撃を受ける業界
説明した通り、賃貸のサブスクリプションは、家具など必要なものはすべてついています。
つまり、新たに家具などを買う必要がないのが特徴です。
あくまで、賃貸のサブスクリプションが流行した場合の話ではありますが、これが主流になると、家具を買うという文化がなくなります。
そうなると、家具販売店などの主な販売先は法人に特化することでしょう。
また、家具を買う文化がなくなるということは引っ越しもスムーズになり、個人で運べる範囲の荷物量になる可能性もあります。
当然、家具や家電がなかったとしても、大量の服や小物がある場合は、業者に依頼することもあるでしょうが、今では「暮らしのマーケット」などで個人にや安く発注できるサービスも多くあります。
大手引っ越し屋も個人からの売上が減少するかもしれません。
賃貸のサブスクリプションが主流になると、他の業界に多大な影響を及ぼします。
賃貸のサブスクリプション化で不動産業界はどうなる?
賃貸のサブスクリプション化が主流になると、賃貸借契約という概念がなくなります。
今まで、賃貸に特化していた不動産屋の主な財源は仲介手数料なので、そこがなくなると小さな不動産屋はなくなっていくでしょう。
不動産屋がこれから生き抜く手法としては、「いかにいい場所を抑えるか」が課題となってきます。
結局、賃貸で仲介手数料が取れなくなても、土地の売買での仲介手数料はしばらくは安定していると予想できるからです。
また、別の側面からみると、大手メーカーが行っている「サブリース」。
この考え方も改める必要があるかもしれません。
先ほどもお伝えしたように賃貸がサブスクリプション化するということは賃貸借契約ではなくなるということ。
つまり、管理費でもお金を取れないようになるかもしれません。
しかし、考え方としては宿泊施設と同じなので、結局は宿泊料に利益を上乗せしていることと同じで、それが管理費として考えればそう大差はありません。
不動産屋が行うべき他の営業手法としては、可能であれば、賃貸のサブスクリプションを提供している会社と取引契約をしておくこともいいでしょう。
例えば、お客さんを紹介して、売り上げの〇〇%などという契約であれば、ビジネスとしてはいい話かもしれません。
賃貸のサブスクリプション化で変わる投資術
賃貸のサブスクリプション化が主流になれば、不動産ビジネスも大きく変化します。
そして、これから狙うべきは「空き家の有効活用」です。
現在、空きや問題は深刻になっており、手つかずの状態で放置されているものが多いため、倒壊の危険なども懸念されています。
そのような空き家を有効利用している会社もあり、それがサブスク賃貸とも言われる発端であったわけです。
つまり、空き家を有効活用する業者が増えているということは、空き家の所有者になることで、活用もできるし、売却もできる二つの選択肢を得られるということ。
もちろん、明らかに人が住まないであろう山奥や田舎は厳しいかもしれませんが、賃貸のサブスクリプションの魅力は、「田舎に住みたい人をターゲットにできる」ということです。
田舎にサブリースで定住者を狙った賃貸業は無理かもしれませんが、サブスク賃貸であれば、見込みはあります。
そして、空き家の購入費用も通常の物件に比べ安いということもありますので、買って売るだけで利益が見込める可能性もあります。
注意しなければいけないのは、必ずしも買ってくれる保証はどこにもなくて、賃貸のサブスクリプションがまだまだ発展途上であるいうことです。
立地もある程度で激安な空き家があれば考える価値はありそうですね。
まとめ
まだまだ賃貸のサブスクリプションは主流ではありません。
そして、一般の賃貸が完全になくなることもないでしょう。
しかし、大きなくくりで見たときに明らかに「賃貸のサブスクリプション」という新しいジャンルが出てきたことは確かです。
これにより、業績が下がるであろう業界もあり、働き方を変えるべき業界もあります。
投資方法さえ変わってくるでしょう。
投資で見たときは、土地活用から空き家活用に着目して考えれば、新たな不動産投資の先駆けになれる可能性もあります。
まだまだ、発展途上なビジネスなので慎重にではありますが、投資をお考えの人は参考にされてみてください。